
(副)
〔「かく(斯)」の転〕
(1)ある場面の様子をさしていう。話し手の身近の場面についていう。
「―なればしめたものだ」「―暑くてはかなわない」
(2)話した内容や心の中で考えた事柄などをさす。
「―しろああしろと口うるさい」「山路を登りながら―考えた/草枕(漱石)」
(3)事態のなりゆきが限界に達したことを認める気持ちを表す。もうこれまで。
「祇王すでに今は―とて出でけるが/平家 1」
(4)動作を軽く指示する。
「さて私はもう―参りまする/狂言末広がり(虎寛本)」

(感)
(1)言いよどんだり、ためらいながら言ったりするときに用いる語。あの。ええと。
「―、どうだえ、狼は出やしますまいねえ/塩原多助一代記(円朝)」
(2)呼びかけの言葉。ぞんざいな言い方。おい。なあ。
「―、おめえん所のおかみさんもお髪
(ぐし)はお上手だの/滑稽本浮世風呂 2」